【邦訳】女性への暴力を防ぐためにあなたができること
この記事は以下の記事の内容を著者の許可を得て邦訳したものであり、内容についての責任はすべて sho.otani(at)gmail.com が持ちます。内容の間違いや誤訳、よりよい訳の提案などがあれば連絡ください
WHAT YOU CAN DO TO PREVENT VIOLENCE AGAINST WOMEN
https://www.marshall.edu/womenstu/stop-abuse/what-you-can-do-to-prevent-violence-against-women/
男性も女性も暴力の犠牲者になる可能性がありますが、その中でも「女性に対する暴力」(男性の手による場合が多い)は過去から現在まで続く男女間の権力の不均衡に支えられた特筆すべき暴力のカテゴリです。
女性に対する暴力は、世界における男性の権力と女性の服従につながる重要な原因です。そして、私たちのうちほとんどすべての人間は、なんらかの形で女性に対する暴力を強化する文化に加担しています。それはささいな形(辛い状況の友だちに対して「男らしくしろ」と言ったり)から深刻な形(女性に対する直接的な暴力やレイプなど)まで様々な形態をとります。
ここではこの状況を終わらすため(少なくとも改善するため)にあなたが日々できる大小様々な行動のリストです。
すべての人へ
- 女性に対する暴力に関して、どんな事実があるのか、どれほど蔓延しているのかを学ぶ
- 被害者を信じる
- 地域の議員や行政に対して、女性に対する暴力の加害者に対する法律の強化を要請する
- 女性で3人に1人男性で6人に1人が、18歳までにデートにおける暴力や性的暴行を経験していると言う事実を知る
- 地域の教育委員会に学校におけるセクシャルハラスメントが発生していないかを確認する
- あらゆる暴力に対して反対の声をあげる
- ジェンダーロールや性別に関する憶測に疑問を持つ
- 多様性を尊重し受け入れる
- 子どもを含め、すべての人の断る権利を尊重する
- パートナーが反対意見を持ったり自身の意見を持つ事を尊重する
- 被害者を非難せず、レイプは決して被害者の責任ではないことを強調する
- すべての人が平等であるための努力をする
- 男性を貶めるために「女性のような」という言葉を使うのはすべての人を気づける事だと認識する
- メディアによる暴力表現に対して反対の声をあげる
- 人種差別、性差別、同性愛嫌悪がどのように関係しているかを学ぶ
- これら(女性に対する暴力)が自分のコミュニティで発生している事を認識する
- 権力と支配について学ぶ
- Take Back the Night に参加する
- 肉体的、性的な接触をするときに許可を取る
- 性的暴力は権力と支配の問題であることを認識する
- 子どもに対して、人間関係において「尊重」が必須である事を教え、態度で示す
- 被害者の権利を尊重する
- 神父、ラビ、牧師、聖職者、精神的指導者に、被害者の安全と加害者の責任に関する理解を促進するための特別なイベントを行うよう依頼する
- セクシャルハラスメントを見聞きした時は声を上げ、関与したり助長しないようにする
- 子どもに対して、暴力はなにも解決しない事を教える
- 性的暴力の加害者は無関係の人のことは少なく、86%が被害者の知人である事を知る
- セックスをするために脅迫したり強制したり圧力をかけることはしない
- 声を上げられない人、尊厳を奪われた人のために声をあげる事を恐れない
- 女性や女児に対して容姿や外見以外を褒める
- 人種差別、性差別、同性愛嫌悪を扱った冗談に対して反対の声をあげる
- 若者の暴力を防止するプログラムを推進する
- 性的暴力に反対する声をあげる仲間を見つける
- 相手に断られたら性的な誘いをやめる。他の人にもそうする事を勧める
- 性的暴力や女性のモノ扱いを賛美する音楽を買わない
- 地元のラジオ局に、暴力的な歌詞を含む音楽を流すのを止めるようにリクエストする
- 暴力や虐待に対して声をあげる人を称賛する
- HAVEN からスピーカーを招き、学校や職場、コミュニティで話してもらう
- 暴力行為を行わない事、容認しない事を宣言する
- 酔っ払った人を利用したり、している人を容認する事を止める
- 積極的な傍観者 になる事を決め、必要に応じて声を上げたり助けを求める
- 被害者が生き延びるために選択したことを尊重する
- 地元の学校・大学が予防教育を行うように働きかける
- 共感する
- あらゆる種類の抑圧をなくすよう行動する
- グローバルに考え、ローカルに行動する
- 加害者がパートナーを軽視することを見聞きした時、その責任を追求する
- 女性に対する暴力に関する話し合いにみんなを巻き込む
- 人間関係における健全な境界線について学び、自分の気持ちを声を出して伝える
- 誰かが自分の境界を侵した時に気づく
- 職場や学校でセクシャルハラスメントを目撃したら報告する
- トイレや休憩室に意識向上の資料を掲示し、気軽にプライバシーが守られた状態でアクセスできるようにする
- 思いやりや繊細さなど、男性らしさのあらゆる面を尊重する
男性へ
- 身近な女性について話すときは、敬意を持って慎重に言葉を選ぶ
- 強さを他人を傷つける事に使っている男性に声を上げ、それこそが強さだと示す
- テレビや映画、音楽、その他の人たちに男らしさを決めつけられないようにする
- 良い男であるためには、虐待や強姦をしないだけでは不十分であることを理解する
- すべての女性や少女に敬意を持って接する
- セックスワーカーやストリップクラブにお金を落とさない
- パートナーがなにを望んでいるかを思い込まずに、聞くようにする
- Men Can Stop Rape 運動に参加する
- パートナーに対して強要したりコントロールすることで自分の思い通りにしようとせず、率先して歩み寄る
この記事について
2021年7月、小田急線の車内で女性をターゲットにした殺人未遂事件が発生しました。このセンセーショナルな事件はフェミサイドという言葉と共にネット上でのトレンドになりました
この事件に関してふたつ悲しいことがあります ひとつは事件がネットニュースのトレンドの波に流されてしまったこと、そしてもうひとつはさまざまな立場の人から「こうするべきではない、こうあるべきではない」という禁止の言葉があふれ、その議論のたどり着く先が分断にしか見えなかったこと
この記事は Twitter のタイムラインに流れてきた 竹田ダニエル さんがシェアした記事の邦訳です
ここに書いてあることは「できること」であって「やらなければならない」ことではありません。実際にぼく自身がこのリストのすべてを実行できるとも思いません。でも、女性への暴力が世界からなくたって欲しいという想いがあるのであれば、心に留め置いて自分の行動を少しでも変えれば少しだけでも素敵な世界になると思いませんか?
声を上げることは大切です。そしてそれは、その声が行動を変えるから意味があると思うのです。何をしてはダメなのかではなくて、何をすれば良いのかを知りたかった。同じような気持ちを持った人たちにこの記事が届きますように